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なぜ文字のコンプレックスは生まれる?

こんにちは。名古屋市、日進市の書道教室『田中書道学院』広報担当です。


子どものころ書道教室に通ったのに、大人になってくせ字で悩む人がいます。逆に、一度も習ったことがないのに美しい字を書く人もいます。その違いはどこから生まれるのでしょうか。

一見、書道教室で習った文字と大人になってからの文字は、別物のように感じられます。

今回は、書道経験がその後の文字にどう影響するのか、掘り下げてみたいと思います。



目次[非表示]

  1. あるご家族の実例
    1. 長男 習ったのにくせ字
    2. 父 習ってないのに美文字
    3. 母 得手、不得手がある
    4. 長女 書道具によってかわる
  2. 書道具の切り替え時がポイント
  3. 苦手だと思われやすいボールペン
  4. 見られる意識で文字は変わる
  5. 書道教室でのコース選び


あるご家族の実例


長男 習ったのにくせ字

息子


20代のご長男は、小3から中3まで週2回のお稽古に通うほど、お習字が好きでした。筆以外にも篆刻や絵皿彫刻など多くの書道作品も出展していました。では、卒業した今も美文字なのでしょうか。

実は、書道経験者に特有のくせ字も存在するのです。

彼は芸術科目も書道選択で、書道サークルにも属しており、高校3年間「行書」と「草書」の練習に励んだことで、とてもしなやかな運筆が身についています。そのため、新入社員となったこの春、職場でボールペン字の「楷書」がすべて崩し字になってしまい、上司から達筆すぎて読みにくいと注意を受けました。


長年培った筆文字に自信のある人は、ペンを持ってもその技巧をひけらかしてしまい、筆記具に相応しい書き方ができていないことがあります。


父 習ってないのに美文字

父


50代のお父様は、子どものころ書道教室の体験はしたものの三日坊主で、正座が苦手なことから入塾を断念していました。きちんと座れない子はお習字に向いてないなんて言われたのかもしれません。

しかし、社会人になると、まだパソコンが普及していなかったので、手書きの文書作成を任されることになりました。来る日も来る日も、努めて丁寧に文字を書き続けたおかげで、いつの間にか社内の誰よりも美文字と褒められるようになったそうです。


もちろん、負けず嫌いだったり、早く認められたいという向上心もあったと思います。

ボールペンは大人になってから練習を始めても十分上達できる筆記具だから実現できたのですね。


母 得手、不得手がある

母


40代のお母様は、小1から高3まで熱心に書道教室に通い、学生では最高段位を取得していました。

その教室では、のびのびと紙面いっぱいに大きな文字を書くのが望ましいという指導方針だったこともあり、特大の筆で制作した書初めや掛け軸の作品を今でも大切に保管しています。

ところが、しばらく書道から離れ、主婦になってみると、小筆があまり得意でないことに気づきました。思い起こしてみると、小筆は学年と名前しか書いて来なかったので、それほど練習した記憶がありません。

実生活に必要な御礼状や熨斗書きは全く経験がなく、家族の役に立てず情けない気持ちになりました。


特定の筆記具に自信がある人ほど、慣れない道具に劣等感を持ちやすいことがあります。


長女 書道具によってかわる

長女


10代の長女は、小3から小6まで書道教室にはたったの3年通っただけなのに、なぜか、お母様より小筆やボールペンの文字が美しいのです。この差はどこから生まれるのでしょう。

彼女は幼少期クレヨンよりボールペンを好み、スケッチブックいっぱいに小さな丸を描き尽くすことを楽しんでいました。現在も編み物などハンドメイドが趣味で、手先を器用に操ります。

指先に神経を集めることができる人は、小筆やボールペンに親しみやすい素質があるようです。


ボールペンは途中で起筆することなく、同じ太さの文字を坦々と書き続けることのできる実用的な道具です。そのため社用でよく用いられるので、仕事上でペン字を求められる人はペンに特化した技法を学ぶ必要があります。

厳密に言えば、書道家や書道講師にも得手・不得手はあります。にもかかわらず、どんな筆記具を与えられても美しい文字が書ける人は、道具に応じて持ち方を変え、扱いを使い分けているのです。

書道を始める上で大事なことは道具の特性をつかむことです。


書道具の切り替え時がポイント

筆記具

子どものころからボールペンを習う人は少ないでしょう。小学校で文字の基礎を学ぶうちは、芯の柔らかい鉛筆が筆記具に指定されているからです。また、ほとんどの中学高校の書道課程は毛筆のみです。

そうして鉛筆と筆しか学んだことのない私たちが、大人になり初めてボールペンを手にした時、その書き味の違いに戸惑うのは当然のことだと思います。


筆は硯の上で毛先を整えることができます。鉛筆は毎日削って持参しましたね。それは先端が尖っている方が書き始めの位置が指示しやすいからです。とめやはらいの位置をしっかり覚えるまでは、鉛筆と筆が学習用の道具として適しているのです。


苦手だと思われやすいボールペン

ボールペンは先端が球形になっています。これまで起筆する時、念入りに確認してきた「尖り」がありません。また運筆するうち球がクルクル回る慣れない「滑り」に違和感を覚えます。

そんな特性から、ボールペンは鉛筆や筆に慣れ親しんだ人ほど取りつきが悪いことがあります。


しかし、それは字が下手になったわけではありません。筆記具にはそれぞれ書き味に特長があるので、しっかり理解した上で筆記を始めれば、過去に学んだ書道の技法を生かすことができます。

硬筆と同じ強さで毛筆を行えば、墨が染みすぎて半紙が破れてしまいますよね。

新たな道具に出会った時はそれに相応しい扱いを覚える必要があります。


見られる意識で文字は変わる

お洒落な人はいつも身綺麗にしているように、字も美しくありたいと思うなら、毎日の心掛けが大切です。

スタイルと同じように、書いた文字は周囲の人の視線を浴びています。

美文字を書き続けている人は、常に美しい字を書こうと意識し、必ず丁寧に書くよう努力しています。

習ったことのない人も、習った人と同じくらい綺麗な文字を意識し、書く機会を多く持てば、必ず「書」は美しくなります。


書道教室でのコース選び

まず、どの筆記具が上手くなりたいのか決めましょう。自分に必要な道具を選べば良いのです。

そして、習う時には初心に帰り、筆記具としっかり向き合い、気持ちを新たに始めましょう。

これまで知らずにいたこと、やれていなかったことを見いだし、足りないものを補えば、コンプレックスは取り除くことができるのです。


田中書道学院では、大人書道教室で「大筆」「小筆」「ボールペン」「筆ペン」からお好きなコースが選べます。苦手なコースにチャレンジする方にも、基本から学べるカリキュラムが用意されていますのでご安心ください。

入会前には全4回の体験ができる「きっかけレッスン」がおススメです。ぜひ一度お試し下さい。


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