一筆箋の書き方とマナー
こんにちは。名古屋市、日進市の書道教室『田中書道学院』 広報担当です。
親しい人や取引先の人に何かを送る際、荷物だけを送り付けるのでなく、ちょっとしたメッセージを添えたいと思うことはありませんか。
そんな時、略式の手紙として「一筆箋」がとても便利です。
「一筆箋って何を書けば良いの?」と思う人もいますよね。
今日は、一筆箋の書き方とマナーについてお伝えします。
一筆箋って何?
一筆箋(いっぴつせん)とは、縦18㎝×横8㎝ほどの短冊型をした細長い便箋です。
通常の便箋より文字を書くスペースが少ないのが特徴です。
そのため、手紙のようなあらたまった形式には抵抗がある人でも、気軽に書けるというメリットがあります。
メモや付箋では事務的で味気ない気持ちがするところ、一筆箋は種類やデザイン、色柄も豊富で、好みや用途に合わせて素材を選ぶことができるので、相手の人に心遣いが伝わりやすいのです。
どんな時に書くの?
一筆箋は「添え文」として何かに添えるのが正式な使い方なので、送る物と一緒に梱包します。
たとえば、記念日の贈り物や、借りていた私物を返す時、さらに、資料や品物を発送する時にも、ちょっとした気持ちを伝えると良いですね。
荷物を開けた時に、お祝いやお礼などの言葉が一筆箋にしたためてあると、「センスのある人だな」「気遣いが行き届いているな」と印象良く感じてもらえます。
一筆箋の書き方は?
一筆箋の書き方として、とくにルールはありません。
一般的なマナーは、最初に相手の名前を書き、挨拶から主文の流れで書き、最後に自分の名前を記すだけです。挨拶は1行程度、主文は2〜3行を目安にしましょう。
また、一筆箋は略式の手紙の為、頭語(拝啓・前略など)・結語(敬具・草々など)は不要です。
親しい人へは普段通りの言葉遣いで書けば、自然な印象になります。目上の人に対しては敬語で書けば、日頃の感謝や尊敬の気持ちが伝わります。
ほんの一言でも 「手書きのメッセージ」があるだけで、優しさや思いやりが伝わるので、短い文章でも心を込めて書きましょう。
仕上がりのポイントは、全体的にすっきりしていて読みやすいことです。
一筆箋は書くスペースが限られているので、あらかじめデザインに合わせて、文字数や文章の配列を考え、絵柄に字がかぶらないよう改行で工夫しましょう。
一筆箋は1枚に収めないとダメ?
一筆箋は、簡潔にまとめることを心がけ1枚に収めるのがコツです。
しかし、1枚内に収めるため、余白なく文字を詰めて書くよりは、2枚に書いた方がスマートです。
2枚以上になる時は、B5サイズなど通常の便箋の方が適しています。
縦書きと横書きのどちらにするべき?
一筆箋といえば、縦書きを想像しがちですが、横書きが好まれることもあります。
縦書きには和の印象があり、礼儀正しさが伝わるため、目上の方に喜ばれるでしょう。
一方、横書きにはカジュアルなイメージがあるので、友人や親しい人に相応しく、英文など外国語のメッセージを書く時にも便利です。
封筒には入れる?
基本的に、一筆箋は封筒に入れる必要がありません。
プレゼントに付ける場合は、品物の上にそのまま載せて包装しましょう。
資料などの書類に付けるのであれば、クリップで留めたり、書類が入ったクリアファイルの一番上に入れたりします。
ただし、メッセージに個人的な内容を記す場合や、他の人が先に荷物を開ける可能性がある時は、封筒入りの方が安心です。目上の方に渡す場合も、封筒に入れてあればより丁寧な気持ちが伝わります。
一筆箋は、封筒とセットでも販売されていますので、デザインが統一されているものをおすすめします。
通常、一筆箋は折らずに封筒に入れますが、縦2つ折りにすることもできます。
まとめ
このように、一筆箋はさりげなく気持ちを伝えるのに最適なアイテムです。
印刷された手紙よりも、手書きの一筆箋の方がより気持ちのこもったものになります。
さらに、その文字が美しければ、いっそう心遣いが深く受け取られるでしょう。
けれども、せっかく気持ちを込めた文章でも、悪筆だとかえって恥ずかしい思いをしたり、印象が悪くなったりしてしまうことがあります。
田中書道学院の大人書道教室では、ボールペンコースだけでなく、小筆、筆ペンのコースでも、カリキュラムの一環として一筆箋に役立つ縦書きの指導を行っています。
現代生活では、縦書きの文字を練習する機会が少なくなっています。
ペン字や書道を習えば、日本語本来の縦書きに強くなり、スムーズに「添え文」が書けるようになります。
ぜひ、美しい文字を習得し、一筆箋をマスターしましょう。