そろばんの検定試験何がある?種類と違いについて徹底解説
こんにちは。名古屋市、日進市のカルチャースクール『樵雲学園』広報担当です。
昔から「読み書きそろばん」という言葉があるように、子どもの教育においてそろばんは重要な位置を占めており、習い事としての「そろばん」も相変わらずの人気です。
将来に向けてそろばんの資格を取らせておきたい、という保護者の方も多いかもしれません。
しかし、検定試験についてはよくわからないという方もいるのではないでしょうか。
そこで、今回はそろばんの検定試験について解説します。
※2023年全珠学連を追加しました。
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そろばん検定試験の種類
そろばんの検定試験を行っている団体はいくつかありますが、全国的によく聞く主な検定試験は以下の3つがあります。
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公益社団法人 全国珠算教育連盟(全珠連)
一般社団法人 日本珠算連盟 (日珠連)
公益社団法人 全国珠算学校連盟(全珠学連 または 学連)
そろばん検定といえば日商(日本商工会議所)主催なのでは、と思った方もいるでしょう。
全珠連は各地の珠算団体がまとまってできた珠算教育団体です。
日珠連の珠算検定は珠算の1~6級が日商の委託で、その他の級と段および暗算の試験は日珠連独自のものです。
全珠学連は珠算学校認可校の全国組織として発足した団体です。
日珠連・全珠連は両団体とも1953年(昭和28年)に設立され、日珠連が珠算そのものの普及を目指しているのに対し、全珠連は特に教育者の育成に力を入れているという特徴があります。
一方全珠学連は、1962年( 昭和37年)に設立され、珠算技能に卓越した人を送り出すことに努めています。
また上記連盟の試験以外に、そろばん教室独自の検定試験を行っている教室も多くあります。
級と段位の種類は?
それぞれの団体の検定試験は名前がそれぞれ異なりますが、特によく受けられている検定として、珠算と暗算があり、それぞれに級と段位が設定されています。
まず級を見ていくと、全珠連では珠算が1~15級(準1~準6級も存在)、暗算が1~10級です。
日珠連・全珠学連 では珠算・暗算それぞれが1~10級(準1~準3級も存在)に分かれています。
全珠連の方が級が多く(珠算全37段階・暗算全26段階)、その分かなり低いレベルからのチャレンジが可能なのが特徴です。
もちろん、途中の級から受験しても構いませんし、「9級の次に7級を受ける」といった飛び級受験も可能です。
段位は日珠連が珠算・暗算とも準初段~十段、全珠連は珠算が初段~十段・暗算が準初段~十段、全珠学連が珠算・暗算とも初段~十段となっています。
全珠連 |
日珠連 |
全珠学連 |
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珠 算 |
級位 |
1~15級 (準1~準6級もあり) |
1~10級 |
1~10級 |
段位 |
準初段~十段 |
準初段~十段 |
初段~十段 |
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暗 算 |
級位 |
1~10級 |
1~10級 |
1~10級 |
段位 |
準初段~十段 |
準初段~十段 |
初段~十段 |
検定試験の頻度と受験料の違い
検定試験の頻度
全珠連の試験は珠算1~3級と珠算・暗算の段位が年6回、珠算4~10級と暗算1~10級が年12回です。
日珠連では、珠算1~3級と珠算・暗算の段位の試験が年3回、珠算4~10級と暗算1~10級の試験を年6回行っています。ただし、各商工会議所や主催教室により回数が異ることがあります。
全珠学連は、珠算・暗算ともすべての段位、級位が年6回行われています。
試験は何度でも受けられますが、間隔が開くとその分トータルの期間が長くなるので、少しでも早く上に進みたい場合は全珠連の方が有利といえるでしょう。
全珠連 |
日珠連 |
全珠学連 |
||
---|---|---|---|---|
珠 算 |
1~3級 段位 |
年6回 |
年3回 |
年6回 |
4級~ |
年12回 |
年6回 (地域により随時もあり) |
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暗 算 |
段位 |
年6回 |
年3回 |
年6回 |
4級~ |
12回 |
年6回 (地域により随時もあり) |
受験料
珠算検定の受験料はそれぞれ以下の通りです。
全珠連は段位が3,000円、1級が2,400円で級が下に行くほど安くなり、7~10級は1,000円で、 11級以下が600円です。
日珠連は段位が2,550円、1級が2,340円で級が下に行くほど安くなり、7~10級は910円です。
全珠学連は段位が3,000円、1級・準1級2,400円で級が下に行くほど安くなり、7~10級は1,000円です。
同じ級で比較すると全体的に日珠連の方が少し安い傾向にあります。
一方、暗算検定はどの団体も珠算検定より安い受験料となっています。
試験内容と難易度の違い
試験内容
全珠連・日珠連・全珠学連とも珠算・暗算試験の両方で掛け算・割り算・見取り算を行います。
全珠連では準3級以上の場合さらに伝票算・暗算・応用計算・開法の中から一つ選択して受ける必要があります。
全珠学連でも、3級以上で伝票算が加わります。
難易度の比較
受験科目が多いことから全珠連の方が難しい印象を受けるかもしれませんが、実は同じ級で比較すると日珠連の方が掛け算・割り算の桁数が多く難易度は高い傾向にあります。
実際には、全珠学連が一番難しいと言われており、各種目ごとに最下点の設定があります。
目安としては全珠連の2段が日商の1級に相当するといわれています。
検定試験の申込方法
全珠連はホームページに掲載の最寄の全珠連支部へ連絡をし、申込方法を確認しましょう。
日珠連は各地の商工会議所の窓口で申込みを行います。各商工会議所により申込み受付期間が異なるため、注意が必要です。
また、商工会議所によっては3級以上からの受付の所もあるようです。
全珠学連は 全国珠算学校連盟認定教場および協力教場が会場となるため、加盟している教室に申し込みます。
どちらの試験もそろばん教室に通っている生徒が検定試験を受けるのが一般的なため、どちらの試験も教室で申込みを受付けている所が多いようです。
そろばん教室に通っていない場合やオンライン教室などの場合、商工会議所で申込みができる、日珠連の検定を受験するのが一般的です。
どこの検定を受ける?何級が目標?
そろばんの検定試験を受けるには、そろばん教室に通うのが一般的ですが、教室により複数受験できる教室、どちらか一方のみを扱っている教室など様々です。
通う予定の教室がどちらの試験を主に実施しているか、入会前に確認すると良いでしょう。
どちらの検定試験も、3級未満は教室で受験できることが多くあります。
3級以上は会場で受験となることが多いので、小学生が試験会場で初めて試験を受ける事が多く、会場の雰囲気にのまれてしまうこともあるので、注意が必要です。
日珠連の方が日商の検定試験ということで社会的な評価は高い傾向にあるようです。
難易度や試験の頻度を見ると全珠連の方がハードルは低いので、まずは全珠連で力試しをしてから日珠連にステップアップ、という方法でも良いでしょう。
そろばんは公的資格の一つですから、履歴書に書くことができます。
持っていると数字に強い人として高く評価されるでしょう。
とはいえ、資格として社会的に認められるのは概ね3級以上ですから、履歴書に書くなら最低でも3級は取っておきたいところです。
個人差はありますが、小学校低学年から始めて6年生で1級に到達することも十分可能です。
一つの目標として頑張ってみるのも良いかもしれません。
特徴をつかんでうまく選択しよう
難易度が高く社会的な評価も高い『日珠連 』と、難易度が低めで試験の頻度が高く挑戦しやすい『全珠連 』、高い技能を身につけられる『全珠学連 』とそれぞれ一長一短があります。
子どものモチベーションを切らさず3級以上を目指すには、教室の先生とも相談して両者をうまく選択していくのがおすすめです。
愛知県名古屋市、日進市を中心に30教室以上そろばん教室を運営している「田中そろばん学院」は4級までは学院内試験でステップアップを行い、3級以上は日珠連の検定試験を受験しています。
受験は任意となっており、試験合格だけでなく、算数好きな子どもになることを目指しております。
興味のある方はぜひ一度体験にお越しください!