臨書の学び方のコツとおすすめお手本
こんにちは。名古屋市、日進市のカルチャースクール『樵雲学園』広報担当です。
臨書を最近始めたばかりとか、先生に臨書を勧められたという方。そんな皆さんへ今回は、臨書の学び方とおすすめのお手本についてお届けします。
▼臨書ってそもそも何?という方はこちらから
臨書の学び方
臨書は、行書や楷書などの古典作品を模写することが一般的です。
まずは手本の文字をよく観察し、筆の運び方や文字の形など1点1画、1字1字をおろそかにせずよく覚えることが重要です。
少しずつ模写に挑戦し、徐々に自分自身の筆致(=筆づかいのおもむき)を磨いていきましょう。
臨書を練習する際には、書道の教本や参考資料を活用することもおすすめです。
基本的な筆遣いや文字の形、さらには書道の歴史や背景について学ぶことができます。
自分自身の学びの幅を広げるために、さまざまな情報源を活用してみましょう。
練習のコツとポイント
臨書の練習は継続と努力が必要です。
毎日少しずつ時間を割いて練習することが大切です。
どのような力や速度、角度で筆が運ばれたかを想像しながら丁寧に練習しましょう。
作品を保存し、自分自身の進歩を確認しましょう。
臨書の手本とおすすめ作品
楷書
歴史に名を刻んだ書道家の作品を参考にすることで、高い水準の臨書を目指すことができます。
臨書の手本は、古今東西の有名な臨書作品を活用することができます。
楷書で有名なのは、唐の時代の四大家(したいか)とよばれる優れた書の書き手の作品です。
- 欧陽詢(おうようじゅん)「九成宮醴泉銘」
- 虞世南(ぐせいなん)「孔子廟堂碑」
- 褚遂良(ちょすいりょう)「雁塔聖教序」
- 顔真卿(がんしんけい)「自書告身」
九成宮醴泉銘と孔子廟堂碑
それぞれ書きぶりに違いがありますが、特に「九成宮醴泉銘」は左右の縦画が背き合うように作られた「背勢)」という書風で「孔子廟堂碑」は左右の縦画が文字の内部をふくらませるように向かい合う「向勢」という書風で書かれているのが特徴です。
行書
- 王羲之(おうぎし)「蘭亭序」
- 顔真卿(がんしんけい)「祭姪文稿」
- 空海「風信帖」
蘭亭序
行書は実線で書いている所と、実際には書かれていないが筆の動きや気持ちの上でつながりがある「筆脈」を確かめながら臨書をおこないます。
王羲之は「書聖(しょせい)」とも言われ「蘭亭序」は書道史における最高傑作ともいわれており、行書を学ぶ人は必ず通る作品と言っても過言ではないでしょう。
日本においても平安時代初期に書の名人と呼ばれた三人のことを「三筆」と言います。空海・嵯峨天皇・橘逸勢の三人です
その中でも有名なのは空海「風信帖」です。
遣唐使の一員として中国に渡った空海は、仏教以外にも中国の書も学んでおり、王羲之の「蘭亭序」に影響を受けた文字が見られます。
草書
王羲之「十七帖」
- 智永「真草千字文」
-
孫過庭(そんかてい)「書譜」
書道を学ぶ上では、楷書→行書→草書と学んでいきますが、文字の成り立ちとしては草書→行書→楷書の順に誕生しました。
草書は筆の弾力を利用してリズムに乗って書くのがポイントです。点画と点画が空間でつながりを意識して臨書していきます。
真草千字文
「真草千字文」の「真草」とは楷書と草書のことを表し、楷書(真)と草書(草)が並んで書かれています。「千字文」とは文字習得のための教材で、1000字の異なる漢字が使われています。
自分の目標に合った臨書の選び方
上記以外にも、優れた古典作品が沢山あります。
自分の目標に合った臨書を選ぶことも大切です。自分が書きたい文字や作品の特徴を考えることで、自分なりの方向性を見つけることができます。自分の好きな作品や書道家のスタイルに焦点を当てて、臨書の練習を楽しみましょう。
臨書は、古典的な書道の美しさや技術を学び、芸術の世界に触れる魅力的な手法です。
古代の書道家たちの作品を模写することで、自分自身の成長や上達を実感することができます。
臨書の練習は継続と努力が必要ですが、その努力には大きな価値があります。ぜひ、臨書の魅力を探求し、古典的な芸術の世界への入り口を一緒に学んでみましょう。
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